近年、日本でも人気が高まっているピラティス。姿勢改善や体幹トレーニング、肩こり・腰痛の予防として注目されています。
しかし「どうしてこんなに体にやさしいのか?」という疑問には、実はピラティスの歴史が深く関係しています。

ピラティスはリハビリを目的として誕生した運動法。その成り立ちを知ることで、単なるエクササイズ以上の価値を理解できるでしょう。

創始者ジョセフ・ピラティスの生い立ち

ピラティスを考案したのは、ドイツ生まれのジョセフ・H・ピラティス(1883〜1967年)。
幼少期の彼は喘息やリウマチ熱、虚弱体質に悩まされ、同年代の子どもたちと同じように体を動かすことができませんでした。

その悔しさから、彼は健康な体を取り戻すために自ら研究を始めます。解剖学やヨガ、古代ギリシャ・ローマの運動法、ボクシングや体操などを幅広く学び、少しずつ自分の体を鍛え直していきました。

「体を正しく動かすことで、人は本来の健康を取り戻せる」
この信念が、のちにピラティスメソッドの原点となります。

第一次世界大戦とピラティス誕生の背景

1914年、第一次世界大戦が勃発。ドイツ人だったジョセフはイギリスに渡っていた際に敵国人として抑留され、収容所で過ごすことになりました。

そこで彼は、収容所の仲間や負傷兵に向けて、自ら編み出した運動法を指導します。病気やケガで体が弱っている人でもできるよう、ベッドのスプリングを改良してサポート器具を作り、安全に動ける工夫をしたのです。

これが、現在の「リフォーマー」などピラティスマシンの原型とされています。

つまりピラティスは、“戦争で傷ついた人々のリハビリ”という切実な必要性から生まれたメソッドなのです。

戦後、アメリカへ渡り広がったピラティス

戦後、ジョセフはアメリカに渡り、ニューヨークにスタジオを開設しました。ここで彼の運動法はダンサーやバレエ関係者の間で注目されます。

ダンサーにとってケガは致命的。しかしピラティスは、体を守りながら筋肉を整え、動きをしなやかにする効果があったため、多くの芸術家やアスリートに支持されました。

こうしてピラティスは「ケガを予防し、パフォーマンスを高める運動法」として世界に広がっていったのです。

ピラティスが体にやさしい理由

ピラティスの歴史を振り返ると、その「体にやさしい理由」がはっきり見えてきます。

1. リハビリ発祥

もともと弱った体を回復させるために作られている。

2. 正しい姿勢と呼吸を重視

負担をかけず、体幹を自然に鍛えられる。

3. 全身のバランスを整える

部分的に鍛えるのではなく、体全体を調和させる。

4. 年齢や体力を問わない

子どもから高齢者まで、安全に取り組める。

ピラティスが「美容やボディメイク」だけでなく「健康寿命を延ばす運動」として注目されるのは、この歴史的背景によるものです。

ピラティスの進化と現在

ジョセフ・ピラティスが考案したオリジナルのメソッドは「コントロロジー」と呼ばれていました。これは「体と心をコントロールする学問」という意味を持ちます。

現在ではその教えをベースに、医療やフィットネス、リハビリ現場など幅広い分野で応用され、現代人のライフスタイルに合わせて進化しています。

デスクワークによる姿勢不良、運動不足による体力低下、ストレスによる不調…。そんな現代人の悩みにもピラティスはマッチしており、世界中で再評価されています。

まとめ

ピラティスは、病弱だった一人の少年の探究心から始まり、戦争で傷ついた人々のリハビリとして発展しました。
そしてアメリカでダンサーやアスリートに受け入れられ、今では世界中の人々が健康のために取り組む運動法となっています。

歴史を知ると、ピラティスが単なるエクササイズではなく、**「無理なく体を整え、未来の健康をつくるメソッド」**であることが伝わるはずです。

もし「体を変えたい」「長く健康でいたい」と思われるなら、ピラティスはまさに最適な選択です。
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